第13回 アベノリスク ? 雨が降れば傘を差せ

アベノリスク ? 雨が降れば傘を差せ
TPPも消費増税も恐れない
~グチや負け犬根性からは何も生まれない。今こそやったるで!~
【1】「景気好転」「売れ行きが伸びた」などなど。ホンマかいな?というマスコミの報道。ウソではないやろうが、ホンマでもない感じ。

どこで聞いても「さっぱりですわ」「ぼちぼちですね」と返ってくる。
福井県内の経済概況は,福井財務事務所によると
「県内経済は、緩やかに持ち直しつつある」、
という見方です。

「製造業の受注状況や小売店の状況には消費マインドに改善の兆しがみられる」とも。
小売店に関係のある「個人消費」は緩やかに持ち直しつつある、と財務事務所は見ている様です。

また、生産関係も「緩やかに持ち直しつつある」という様子です。
しかし、「求人・雇用状況はイマイチ」のようです、

今後については~。
「国や県の緊急経済対策で、回復基調が継続される」
という見方です。

ただ、「今は海外の経済情勢に影響を受ける」ので、「充分、新聞・テレビ報道に関心を持つ必要がある」とのことです。

繰り返してまとめますと、
『ともかく個人消費は、緩やかに持ち直しつつあり、大型小売店の販売は、年末から動きが鈍かったものの、今は飲食料品などが好調でまずまず』
という状況のようです。

<高価なものが売れているか>
これは見解が分かれます。
『一部に高額品に動きがみられることなどから、緩やかに持ち直しつつある』、
という状況です。

もっとも、『それは、そう言う話が一人歩きしとるだけや』という宝飾屋さんも、ありますのでこれは『まあまあ』、というところです。

コンビニの商いは、ファストフード店等との競争になっていますが、筆者の見解では『引き分け、ドロー』ですね。

今は、ただ安いだけではリピート客が来ない様です。コンビニといえども、美味しく、感じ良く、品揃え・メニュー揃えが良くなければお客様のリピートは望めない様です。

「いつが売り時ですか?」。
もちろん「イマでしょ!」。人気の進学塾の講師ならこういうでしょう。

今、売り時の家電店のエアコン。15~20万円(工事費込み)の売れ筋は品切れ傾向です。
店頭での応対が上手くなく、更に人員的に手薄なせいもあって、売場で待たされる事がおおいです。
これではネットで買う人が増えるのは当たり前ですね。

『あんな応対ならネットの方が早くて説明も正確。ネットの方が買いやすい!』というお客の声を売場で聞きました。
家電専門店さん、どう思いますか?、

店頭での、お客の待たせ方、応対の仕方。100年前?と変わっていません。
これでは、ますますネットにやられると思います。

【2】アベノミクスか、アベノリスクか。

次に、福井県の小売店状況~~。
都会のお金持ち情報は別として、現実の中小企業はまだ、そんなオイシイ状況になっていません。
関係機関の発表数字を見ても、ここ、2~3ヶ月の対前年比の売上げ高は「横ばい」です。

だからといって、俯いてばかりおれません。
ビジネスマンに大事なのは『カラ元気も元気のウチ』
という積極性です。
わが元気を信じて、自分で景気を作る他ありません。

また、「売るのでなく手伝おう、と考えること」です。
必ず売れます。筆者の体験ですから。やってみてください

ある地域一番の小売チェーンの経営者は
「売れない理由を拾いあげて、売れない言い訳をするな」、
厳重に注意しています。

「売れぬ言い訳をしない、させない」
という経営哲学で徹底しています。

試しに、販売員各自が、自分がお客になったつもりで、
「買うのを辞める」、
「買うのを断る」
という、手紙文のコンテストをしてみてください。
きっと、お客様が断る理由や、お客様の不満が見えてきます。

これをやりますと、自分の応対の欠点が見えてきます。
ツライですが、余りの我がアホさ加減に気づくこと請け合いです。

自分の、見え見えの売りたい根性や、自己都合の応対ぶりが見えてきます。

売れない言い訳をするヒマがあったら、自分をお客様の立場で見直せば、売れない理由が見えてきます。

販売員「このエアコンは一日10時間使った場合、年間の電気代は2万5千円くらいです。」
お客「福井で冬に使ってそれで暖がとれますか?」
販売員「ええ、大丈夫です。少し高いですが一年に1万円以上電気代が安くなりますから10年で元が取れますよ。」

お客は、その言葉を信じられない様子で、結局、買うのを止めました。
お客のつぶやき「矢張り福井の冬はファンヒーターやないと~」

横で聞いていた筆者はどちらが正しいのか分かりません。
ただ、「20万円近くするエアコンですから、もっと納得させる説明がほしいな」と思いました。

振り返って見ますと、われわれは、ともすれば売れない理由をいつも お客に押しつけてきたと思います。
買わずに帰って行くお客が「無駄足だった、疲れた」とこの店に来たことを後悔していると、微塵も思わなかったと思います。
そして、「あ~あ、冷やかしだったのか!」と失礼な事を思う事が多かったと思います。

この様に、売れない事実から売れる理由を探し出せる筈なのに、いつも売れない理由をお客様に押しつけてきた様に思います。

そして、いつも「だから売れないんだ」と自分を偽ってきました。
目の前のお客様を納得させられない販売員~。買えずに帰って行くお客様の後ろ姿にもっと学ばねばと思います。

<名コンサルタント、ダニエル・ピンク氏の本>
ここで発想転換のヒントを。
アメリカの経営コンサルタント、ダニエル・ピンク氏の著書
「人を動かす、新たな3原則」のことを少し。

この本には、「売らないセールスで、誰もが成功する、売れるヒント」が書いてあるそうです。

ちなみに、ピンク氏の言う
「売らないセールス」とは、を紹介文によりますと~。

「購入行為に誰一人関与せずに、他人を説得し、影響を与え、納得させること」だそうで、
医者や弁護士、ライターやコーチといった「非セールス」の職種にも有効

と紹介されています。

さらに著者・ピンク氏曰く
「現代人はみなセールスに関わっている」とも。

<amazon社のミーティング>
別のヒントです~~。
「アマゾン」社でも、多くのミーティングが開かれます。

しかし重要なミーティングでは、幹部やマーケティング担当者席の隣に「誰も座らない椅子が一脚」置かれるようです。

その椅子には、実は、本当に偉い人が座るのです。そう、その部屋で一番、重要な人物が座る椅子なのです。

その人物とは誰なのか?

それは……。
その椅子に「大切なお客様」が座っていることを意識しながら会議・討論をする為の大事な椅子なんです。

このやり方を、「面白い」と思いますか?
「素晴らしい」と思いますか?
まさか、「アホらしい子供だましや!」という人はおらんでしょうね。

まあ、業績を伸ばしている企業は発想も行動も、並の会社とかなり違うって言うことですね。

売れない理由探しより、もっと、なすべき事がある、と分かって頂ければ幸いです。

【3】「消費増税」と「TPP」。中小商業にどう響くか?

まず「消費増税」……。
消費増税とは、いうまでもなく「消費税率を引き上げる」と言うことです。

国民は「イヤイヤですが仕方ありません」と思っている様です。国民が出す結論は、一応、今度の参議院選挙です。
あとは「いつ実施するか?」です。

消費税は2014年4月から8%、
更に15年10月から10%になる予定です。

「仕方が無い」、とは思いますが、前の野田首相が辞める前のドサクサ?に決めたのは、いささか納得しがたいものがあります。

プロ野球の使用球が、コミッショナー(会長)の知らぬ間に?よく飛ぶ球に変わっていて、ホームランが急増するようになっていた、というのとは、ワケが違います。

余談になりますが、柔道協会も同じでは~。
「組織を綺麗にしてから辞める」と上村会長さんが仰っていますが、「ひとまず、ここでお辞めになる事が綺麗になる事じゃないのでしょうか」。
そう言う声が多く聞こえます。

無念でしょうが、わが国のサムライの美学は「身を引くこと」なんです。

さて、消費増税に戻って……。
安倍さんの知恵袋と言われる米・エール大学、浜田名誉教授すら「増税すると景気が悪くなるかも。景気の良くなるまで待てば……」と言っている様です。

もちろん安倍さんも、アベノミクス効果で景気が回復基調にあるとはいいながら、自信のない一面もある様子で、今すぐに増税するかどうか迷っている感じです。

しかし、われわれは、あまり増税の時期に惑わされないで、今の商いを少しでも良くすることに注力するのがベストなんじゃないか、と思います。

「税金がいささか高くなったが、お値打ちな商品を売ってくれるお店があるから我慢できる……」。そう、お客様に思われるような商いをしたいものです。

<次はTPPについて>
TPPについては賛否両論があるので書きにくいですが、筆者の「独断と偏見」で書かせて頂きます。

日経新聞の調査では、約55%の人が、一応、賛成で
「TPPの協定を早く結ぶべき」
という意見のようです。

その他の意見では、
「貿易で国を立てる為には必要」とか
「世界から変人?に見られる“ガラパゴス化”を避けるために必要」などの意見があるようです。

もちろん、
「アメリカにしてやられる」
「慎重に」
といった意見もあるようです。

ともかく
「世界から仲間はずれ?にされないためには仕方が無いんじゃないか」、
という事らしいです。いずれにしても、大変でしょうが。

TPPとはご存じの様に
・「太平洋を囲む国々の経済連携協定のこと」ですが、
・10ヶ国余りの国が参加あるいは参加予定国で、
・うち日米2国で参加国のGDP合計の90%を占める
と言う話です。
ですから、「日本が入らないと始まらない」という仕組みに見えます。

では、中小企業にとってどんなメリット・デメリット功罪があるのでしょうか。
・輸出関連の企業にとっては、日本の商品が良い値で売れるのですからいいですね。
・一方、外国から安いものが入ってきて、日本の高品質の商品やサービスは不利、
という意見もありますが、
・国内にも「安物」と「いいモノ」の競争
は既にあります。

・「日本製品の品質」
・「商いのサービスの良さ」
など、他国が真似のできないモノが沢山あります。

・これら商品とサービスの品質は「自信を持っての売りモノ」
と考えるべきではないでしょうか。

卑近な例を言いますと、100円の回転寿しでも矢張り味とサービスのいい店にお客様は流れています。

・「安ければいい」、という時代は終わりつつあるのです。
・衣料品では、タダでも、「要らないものは要らない」、

という時代ですから。

独断的にいますと、日本の商業者ほど親切で真面目な商業者はヨソには居ない、と言いたいくらいです。

それくらい、日本の売り手も買い手も、「生活スタイル」のレベルが高いんじゃないか、と思います。

また、野菜などアメリカの安さに負ける、という人もいますが日本の野菜の安全・安心・高鮮度を知っている一部のアメリカ人などは「ミーは日本野菜を選びマス」と言っていると聞きます。

「それは、一部の人の話や」という意見もありますが、とにかく、始めから負け犬根性になることはない、と思います。
自分が信じる意見を持ち、自信を持って立ち向かう……。
この考え方、如何でしょうか。(お気に障った農家さん、ご免なさい!)

ここでアメリカ・アップル社の名経営者スティーブ・ジョブス氏の言葉をご紹介します。


『ライバルが10本のバラを贈ったら、君は15本のバラを贈るかい?
そう思った時点で君の負けだよ。
ライバルが何をしようが関係ない。
相手が望むことを見極めることが肝心なんだよ』

競うべきは、ライバルじゃなく、我が顧客の欲求との競争なんだ
と言っているんですね。
そして、望まれる事を探り、期待以上に応える。
それが大事なんですね。

TPPも太平洋を囲む国々だけでなく、世界中の人々に幸せをもたらす”縁結び”になることを信じたいものです。

筆者 下中ノボル (しもなかのぼる) プロフィール


*「店・企業は客の為にあり」が生涯の経営信条。(「商業界」理念)
*規模の大小を問わず企業生き残りの条件は「時流適応」と「顧客創造」。
*商業者に具体的アドバイスをする中小企業診断士。
*経営誌「商業界」、「2020AIM」などに執筆、他に著書多冊。
*中小企業経営大学校や各地商工会議所などの講師や専門委員を務める。
*専門課題は時流適応の商店経営戦略、マーケティング戦略など。

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