第11回 恥かきが繁盛の元

時は~、今でしょ
商人をもっと信じて下さい!
~最後は正しい商人しか残らない。正しく生きる商人に誇りを持て!~


◆商売人の知恵を見くびっていたのですか、お偉さん。

アベノミクスとか消費税増税騒ぎとか。全国的には、ここ暫くは結構、アホらしいままに盛り上がっていました。
結局は「消費税関係セール」は大幅に緩和?されました。
あの騒ぎは一体、何だったのでしょうか。訳の分からぬままに事は進んでいます。

モトは増税に批判的な声が高まるのを恐れた政府がアホな法律を作ったのでしょうか。
結局、骨抜きになり、騒いだ割りに意味のない法律になってしまったようです。
商売人の知恵を甘く見たお役人のアホさが露呈したのでは無いでしょうか。
商売人は例外を除けば多くの人はキチンとやりますよ。もっと信用して欲しいものです。

県内ニュースでは「ユース」と言う名前の店舗が無くなると言う話や、エルパ近くにドンキホーテが出店するとか、牛丼屋の恒例?の価格競争など、結構、賑やかです。
活気があって良いことでしょうが。

ところで~。
売上げ不振!と聞いている店である経験をしました。
先ず「いらっしゃいませ」を言いません。買い物をしましたら、「有り難うございます」と言っているのですが有り難そうな顔をしていません。
ケイタイを忘れたのでレジそばの電話を借り市内の自宅に電話しました。
「電話代を払います!」と言いましたら「いや、結構です」と言っているのですが、顔は「結構ではありません」と言っている感じでした。
「顔?は口ほどにものを言う」と言うことを実感しました。
この店に来るお客が減って行くわけも分かりました。

「福井商業の活性化」などと大きな事をいう前に、先ず、足元の地道に誠実で親切な商いを、一個店から、そして一販売員までが始めることが大事なんじゃないか、と痛感しました。

商いは、千人のお客様より、先ず目先の1人のお客様を大事にすること。全てがここから始まる、と思い直したいものです。
「千客万来」よりも「一客再来」がまず商いの基本なのですから。
今回は、ハワイアン・ホスピタリティなどを紹介して、お客様一人、一人を大事にすることの重要さをご提案します。

福井の観光地はアカン、というイヤな奴?ましてハワイとの比較なんて勘弁してくれ?!

「ハワイは良かった。福井はアカン」と5月の連休にハワイ旅行した友人が声高にわめいていました。
「ハワイと一緒にするなよ」と言いますと「アカンものはアカン」と言い張ります。
ワケを聞いて見ますと、一理あるような気がします。

その訳~。
ハワイは太平洋のど真ん中にある島。
しかし、元々あるものと言えば、オアフ島で言えば、誰でも知っているワイキキや真珠湾、ダイヤモンドヘッド、裏オアフと言われるカイルア、カネオヘという綺麗で泳げる海、北の方にサーフィンで有名なノースショアなどがあるだけです。
言うなれば、それぐらいなのです。

いや、あの青い海、青い空、白い砂浜、爽やかな空気、風が良いんじゃ、という人もいます。
が、結局それだけなんです。自然に存在するモノは~。

しかも、観光用に作った人工のワイキキビーチは砂が毎年減るので、島内ばかりでなくカリフォルニアやオーストラリアなどから運んできて、砂を足しているようです。

そんなハワイに何度も行きたいと思わせるというのはナゼでしょうか。
「何かがあるからや」と友人は言うのです。
「何かとはナニや?」と聞きますと、よくぞ聞いてくれた、という顔でこう言うのです。
「それはハワイアン・ホスピタリティ(Hawaiian Hospitality)があるからや!」と自慢げにいうのです。

「ハワイ島民の“もてなし”のことやろ」というと「それは知っとるんか。実はもっと深い意味があるんじゃ」と続けます。
「もてなし心に基盤を置いた、もてなしの仕組みが大事なんや」と偉そうに言います。

「例えば、や。ホノルル空港に着いたお客にムームーを着た女性が歓迎キッスをするやろ、あれが始まりで、あとあと要所要所でお客の記憶に残るような応対をするシナリオがあるんや」
「道を聞いたら笑顔で教えてくれる。写真を撮っていたら前を通らず待ってくれる。ハワイマラソンやハワイアンダンスなど参加したいと思わせるイベントを幾つも打ち出しておるやろ。
あれこれがパフォーマンスや、と分かっていても結構、感動させられる事が多いはずや」
「仕組みでいうたらサービス施設の配置も工夫してある。例えばサーフィンで有名なノースショアからワイキキまで車で60~90分かかる。
そんな長い距離をお客に走らせないように、ノースショア近くに僻地?に合ったホテルやレストランが計画的?に配置されとるんや」
「まあ、当たり前の事や、と言うかも知れんが、自然だけに頼らずに人間の知恵とサービスごころでお客を満足させ、感動させて、再来させとる。
このサービス・マインドとビジネス・アイデアが旨いと思うんじゃ。こんな仕掛け?が福井にもあると良いんじゃないか」
「東尋坊、越前海岸、三方五湖など~。失礼を承知で言えば、単に自然が“あるだけ”やないか。
もちろん、いろいろ工夫はしてある。そして世界のハワイと一緒にするな、と言うことやろうが、大事なのは気構えとかマインドや」
「お客は福井を“観に”来ている、というが多くの人は“思い出づくり”とか“感動するため”に来ているんや。
自然の力に加えて人の力で“思い出や感動をさせるナニか”がいるんや。
それが無いから、“一度見た”らもう来る必要がない観光地になって仕舞うんや…。
商いもこれと一緒で、“モノ売り”だけになったら、それでお終いですわ。満足や感動をお客様に上げられないようになったら終わりです~」

最後は、彼のグチになりましたが、まあ、自然そのものに任せきりではアカン、ということはよく分かります。
もっとも、分かるだけではアカン?わけで、われわれ商業者も「思い出や感動」をお客様に与えるような取り組みを、先ず始めるべきだと思います。

アホらしい「消費税還元セール禁止法?」もたもた、やで。

「消費税還元セール禁止法」の実施について、政府のもたもたぶりは見苦しいのひと言です。
いきなり国が「消費税還元セール」を口実に「小売業者が問屋をたたくから規制するんじゃ」、と言い出したときは「アホか」と思いました。
ところが、実際、アホでした。

「小売業界、一定の評価」法律成立後の日経新聞の消費税増税記事の一つの見出しです。事実かも知れませんがアホらしい現実です。
続く記事は、「大手スーパー幹部は規制が限定的になり評価できる」。
また「セブン&アイ関係者は増税後の消費動向を見て判断する」と言っているという記事です。
いずれも、どうって事のないアホらしい意見です。

法律は、2014年4月に想定されている消費税増税時に次の様な文言を用いるのはアカンとか、OKとか決めています。
売り出しのコピー、文案を法律で決める?アホさ加減。
国政にはもっと大事な事があるんじゃないですか、と言いたいです。


【アカン表現】
・消費税率分、値引きいたします
・消費税は付けません(添加しません)
・消費税率分をポイントでオマケします
【OKな表現】
・春の生活応援セール
・3%値下げセール

この「3%値下げセール」など、禁止すれすれの文言ですがこれで良いと言うんなら「消費税率分、値引きします」はアカンというのは微妙です。
結局、政府内部、政党内部、商業者内部のそれぞれの賛否両論に振りまわされて、訳の分からん法律ができたようです。

このトラブルのお陰で、消費税還元セールの実態や、消費税を巡る商業者の立場に二つの派があることが宣伝できました。
消費税率が上がることは国民の多くはイヤです。しかし、国の将来を考えれば上げざるを得ない、という理屈も分かります。
ですから、やむなく賛成という商業者が多いです。もっとも、税金の無駄遣いを止めて貰って、の話ですが。

そうした中で、お客様の選択はできるだけ消費税を上げない工夫をする商業者に向くと思えます。
ユニクロなど原価率の低い製造小売業者(SPA)は価格を据え置くようです。(増税分の3%を負担してもやって行ける、と言うことです)

そこで、問題になった売り出しタイトル。例えば~。
・「全品3%値引きセール」
・「全品、今までと同値セール」
・「暮らし厳しい今、ポイント3~5%プレゼント!」
こんなタイトルのセールはセーフかどうか知りませんが、ともかく、少しでも安いことを消費者は望んでいます。

いやはや、もう、何でもありで、あの騒動はなんやったのか、という感じです。
お役人、国会議員、商業者。みんなが騒いだだけ、くたびれ損です。
時間と人件費のムダは大きいと思います。結局、獲物は捕まらなかった、という感じです。

この法律が出来そうだ、という騒ぎが始まった頃、筆者はこう思い、周囲にこう話して居ました。

「商売人の知恵は、役人がいくら規制しようとしても、必ずそれ以上のものを出す。無駄な事をお上がしようとしている。全くムダやことや」

放って置いても消費税が上がれば、金持ちは別として一般庶民の買う気は下がり、売上げが下がります。
そこで商業者はお客の買う気を促す策を練ります。

そこに商業者の知恵較べ、サービス較べが起こります。そこに商業の進歩があります。
今までがそうでした。商売人の知恵は凄いと思います。

業界保護も大事ですが、保護、保護と言われてきた産業界が伸びないで衰退傾向にあるという現実があるじゃないですか。
多少の無理をさせること、頑張らせることが「進歩の母」ではないか、と思います。

偉い方が細かい事に首を突っ込まずに、中国問題、北朝鮮問題、国内では福島などから避難している人々が一日も早くウチに帰れるように、本気で対策を練って欲しいと思います。

「ユース」が消える。歴史が変わる。

福井県でスーパーと言えば「ユース」でした。1963年(昭和38年)にユースは誕生しましたから創業50年です。
岐阜県のスーパーチェーン・バローの傘下に入ったのが2005年。8年目で31店舗のユース名が、残念ながら消えることになります。

現在、ユースはバローの100%子会社ですが今年の10月01日に合併し、ユースという名前の店舗がなくなる訳です。
バローの経営戦略から言えば仕方ない事でしょうが、福井県民としては寂しい限りです。

業界が変わる、世の中が変わる、と言うことでしょうか。
福井県の小売業界の歴史を飾ったユースが消えるのと対照的に越前町の農産物直売所「おもいでな」が好調と福井新聞が報じています。

売上げ規模的には、年商8000万円です。年商約280億円のユースと較べればかなり差があります。
しかし、企業形態において極めてユニークで充分、存在感はあります。

このブログのスペースを提供して頂いている「データシステム」社は直売所経営に早くから関わっていて、直売所専門の統合システムを発売しています。
全国各地のショッピングセンターの集中管理システムを永年扱ってきた実績を活かしているようです。

話を元に戻しますと~。
「おもいでな」は、地元生産者約200人でつくる農産物出荷団体が経営しています。ある意味、立派な企業です。

設立は2002年。今年で11年目。最初は年商3000万円だったそうです。
順調に伸びてきて、いまは先述の様に年商8000万円。
業界的には有名なようです。ただ問題はご多分に漏れず後継者難らしいです。

ここは業態としては「農産物直売所」です。
全国の直場所は農水省の発表によりますと、2011年には全国で約17,000カ所ありセブンイレブンより店数は多いようです。

全直売所の扱い量は金額ベースで約8,500億円。農産物の総流通量の約5%と推定されています。
一施設当たりの年商平均は5,000万円くらいの様です。

取引の仕組みの基本形は、売上げの15%を直売所に出し、農家には85%が入る、という仕組みです。
これは農家としてはソロバンが弾きやすいのではないでしょうか。

一般の小売業者(スーパーなど)に出荷すれば小売価格の15~20%近い手数料(スーパーのマージン)が要るのは仕方ないとして、
出荷量や納入条件が直売所に比して、かなり厳しく、難しい条件になるようです。

【出荷農家が期待する商いのスタイル】を想定しますと~。
・自分が作ったモノを自分が売る。
・農家の志を表現出来る場所で売りたい。
・お客様から直接、「消費者の声」を聞きたい。
・有機野菜などをもっと売りたい。
これが野菜直売所に出荷する人たちが思い、願っていること、だと思います。

別の視点から言えば、恐らく~。

「単なる売り手でなく、生活者とともに生きる農家でありたい」
「農家の思いを商いに実現する“農商家”を目指したい」

と言うことだと思います。

商業者には、ユースやバローの様に規模を追わねば生き残れない現実があります。
他方、「おもいでな」には、方言「おもいでな」が意味する「楽しい」商いをする、したいという夢があると思います。

「ユース」と「おもいでな」という対照的な企業・業態をここで上げましたのは、
時代の風は「売上げを追うか」「夢を追うか」の選択を迫っているように思うからです。
「ユース(youth. 青年)」は50才でひとまず青年を卒業です。
「おもいでな(楽しい直売所)」は一層、楽しい商いをすると思います。

それぞれの道を、それぞれ歩むのが人生でありビジネスと言うことでしょうか。
いつまでも「青年のこころ」を持ち、「楽しい商い」をしたいものです。

筆者 下中ノボル (しもなかのぼる) プロフィール


*「店・企業は客の為にあり」が生涯の経営信条。(「商業界」理念)
*規模の大小を問わず企業生き残りの条件は「時流適応」と「顧客創造」。
*商業者に具体的アドバイスをする中小企業診断士。
*経営誌「商業界」、「2020AIM」などに執筆、他に著書多冊。
*中小企業経営大学校や各地商工会議所などの講師や専門委員を務める。
*専門課題は時流適応の商店経営戦略、マーケティング戦略など。

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